訴訟代理人

司法書士の業務〜簡易裁判所での訴訟代理人制度

裁判制度は当事者同士では決着が付けられない揉め事に対して、公正な立場の第三者が両者の言い分と法律を基にして判断を下す解決手段です。

しかし、時間やお金が掛かることや良くない風聞が立つといった理由で裁判の利用に踏み切れない場合も多いのが現状と言えます。

裁判と関わる士業

法律上、裁判に関わる事が出来る士業の代表格が弁護士です。

弁護士は原告・被告の代理人として訴訟手続きを代行し、法廷で依頼者となる原告・被告が有利になるように弁護するなど裁判あっての存在と言えるほどに深い関係をもっています。

そのため、行政書士などのほかの士業が裁判自体に関わる事は全くなく、訴訟の前段階で行う内容証明郵便の代理作成と送付が限界と言えます。

司法書士のための裁判制度の導入

しかし、弁護士になるための司法試験制度の改正や裁判に掛かる時間の短縮化を目的とした法改正により、司法書士も裁判に関わる事が出来るようになりました。

ただし、従来の刑事訴訟・民事訴訟は弁護士の業務範囲のままで、簡易裁判所で行われる訴訟を司法書士にも開放する形を取っています。

簡易裁判所で出来ること

簡易裁判所は軽い訴訟を専門的に取り扱う裁判所で、裁判官一人で裁判を開廷するため判断がスムーズで、非常に結審が早いと言う特徴を持っています。

民事裁判では賠償金額が140万円以下の訴訟、刑事裁判では罰金100万円以下・懲役3年以下の軽微な罪状を扱うことが出来ます。

60万円以下の賠償金額に対して行われる少額訴訟と合わせて、支払い督促や民事調停に利用しやすい裁判制度といえます。

司法書士が簡易裁判所で訴訟する為には?

基本的に裁判への参加は弁護士だけに許された権利であると言えます。
簡易裁判所での裁判に司法書士が参加するためには「簡裁訴訟代理能力認定考査」という試験に合格しなければなりません。

簡裁訴訟代理能力認定考査は、司法書士法第3条第2項第1号で規定された研修を各地方の司法書士会などで受講しなければ受験資格を得られません。

試験では事実認定や立証、弁論・倫理感などの訴訟代理人として必要とされる能力の有無が求められます。

簡易訴訟の注意点

簡易裁判所で行われる簡易訴訟は、地方裁判所で行われる第一審と同じ性質があります。
つまり、高等裁判所へ控訴することが出来るのです。

高等裁判所での第二審からは弁護士の業務範囲となるため、簡裁訴訟代理能力を認められていても司法書士が訴訟代理人として出廷することは出来なくなります。

控訴された場合は、弁護士に依頼して訴訟代理人を代わってもらわなければなりません。

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